葬送準備ケアインストラクター養成講座:研修内容


研修のねらい

多死社会を迎えた今、「終活」など、自らの死を主体的に捉えようとする活動が広がっています。医療や介護の現場でも、「自分らしい死」を望む療養者のニーズに応えるための知識やスキルの重要性が増しています。

私たちは、終末期のこころのケアとして、生前から療養者自身が取り組む「葬送準備」に着目しました。ターミナルケアの専門家と葬送の専門家らの協力を得て研究を進めた結果、療養者と共に実践できる各種のアクティビティを通じて「葬送の準備をケアにする」という新しいケア手法を開発しました。「自分らしい」葬送グッズの制作や入棺体験などのワークを行うことにより、療養者とケアする者の双方にとって、死を前向きに受け入れる効果が期待されます。「葬送準備ケアインストラクター養成講座」では、死後のケアと葬送に関する基礎知識を身につけると共に、日常的に実践できる各種のアクティビティを通じて主役である療養者の「旅立ちへの思い」をケアに取り入れる手法を学びます。

この講座では、ターミナル期のこころのケアに着目し、療養者が葬送の準備を通じて社会的なつながりを意識し、人生を振り返り、死を前向きに捉えることを支援するためのケア手法を学びます。

体験や実技指導を取り入れた、実践的な講座です。参加された方が、それぞれの職場や地域で「葬送準備ケア」をターミナルケアに取り入れ、実践してくださることを期待します。

プログラム概要

<1日目>
オリエンテーション
導入―生と死をつなぐケア
現代の葬送に関する基礎知識
 家族中心の葬送、家族がいない場合の葬送、グリーフケアの歴史的役割、グリーフサポートの必要性
グリーフケアを大切にした葬送  実例の解説、生前に準備するグリーフケアの効果
「自分らしい」棺(ひつぎ)の装飾制作実習
 棺の知識、自分らしい棺とは、棺の装飾の実例、棺のデザインと制作
入棺体験会
 棺に入ってみると見えるもの・こと、棺に入る体験と棺を閉じる体験、ケアとしての入棺体験
グループ討議と発表
 グループで葬送準備ケアについて話し合う、療養者の死の受容について考える
交流会(コーヒーブレイク)
<2日目>
療養者とみまもる者が共に創るターミナルケア
 グリーフケアの実際、エンゼルケアの実際
ターミナルケアの対話
 終末期の接し方、対話の上で配慮する点、従事者の思いと当事者の思いのズレを見極める、
ペアに分かれた相談ロールプレイ
メモリアル・ウェルカムボード制作実習
 人生を振り返るメモリアルボード、葬儀にも使えるウェルカムボードの効果、制作実習
葬儀後のプロセス
 遺品整理、各種手続き、独居者・単身者などのケース
修了式
 葬送準備ケア指導者の心得4か条
など

葬送準備ケアの位置づけ

2015年7月に初開講となる「葬送準備ケアインストラクター養成講座」は、「療養者とみまもる者が共に創るターミナルケア」で多死社会に貢献することを目指す「共創的ターミナルケア(Co-creative Terminal Care: CTC)」シリーズの一環として実施するものです。
CTCシリーズのその他の講座には、医療的ケアを中心にターミナルケアの各種手法を総合的に学ぶ「ターミナルケア指導者養成講座」、療養者や療養者家族とのコミュニケーション手法とそれぞれの思いを取り入れたケアの計画法を学ぶ「ターミナルケアのプランニング講座」があります。

資格

2日間のプログラムの修了者には葬送準備ケアインストラクター資格を認定します。修了証(指導者資格認定証書)を発行し、活動を継続的にサポートします。

参加者特典

下記のオリジナル教材をお持ち帰りいただけます。
テキストブック
制作物
修了証
修了された方が各施設や地域で実践していただけるよう、継続的にサポートします。


お申込み


一般社団法人知識環境研究会教育会 〒101-0044東京都千代田区鍛冶町2-11-22